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2020年04月24日

「幻想曲」という標題を与えることを予定していたが、「3大ヴァイオリン協奏曲」の一角となった

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素晴らしいメロディが散りばめられた名作


3大ヴァイオリン協奏曲は、ベートーヴェン、ブルッフ、ブラームスだ。1866年の今日、ドイツのコブレンツで初演され、「メンデルスゾーン以後の最高傑作」と評判になった。当時はまだ、ブラームスとチャイコフスキーの作品が初演されていなかったので、このブルッフの協奏曲が人気を集めたのは当然だったろう。その第3楽章アレグロ・エネルジコ(速く、精力的に)は楽しげに踊るような第1主題と、魅惑的な歌による第2主題によるソナタ形式で書かれていて、ヴァイオリニストが技と歌心を思う存分発揮できる。ロマンティックな名曲だ。メンデルスゾーンの影響を感じさせるロマンティックで美しい「ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調」やチェロと管絃楽のための変奏曲「コル・ニドライ」が、ブルッフの代表作として知られているが、交響曲の作曲家としても知られ、生前は合唱曲作家としても名高かった。ブルッフの作品はアカデミックな和声と、厳格な対位法で貫かれており、極めて甘美で夢幻的な旋律が、著しい特長をなしている。
ブルッフはこの作品に「幻想曲」という標題を与えることを予定していたが、「協奏曲」という名称を勧めたのもヨアヒムである。彼はメンデルスゾーンの《ヴァイオリン協奏曲 ホ短調》にならって、第1楽章と第2楽章を連続させることを提案し、さらにヴァイオリンの表現にふさわしいフレージングや表現などについても助言した。ブルッフはレヴィへの書簡のなかで次に交響曲の創作に取り組むことと、「交響曲では、協奏曲においては見られないか、置かれる必要のないあらゆる楽曲の展開をご覧になることでしょう」と述べる。このことからブルッフは協奏曲と交響曲の相違を展開部の創作に見ていたことが分かる。
そして、ブラームスにとってブルッフはもっとも注目した作曲家であったに相違ない。それをよく示すのがブルッフの《ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調》と、ブラームスの《ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77》との関連で、二つの協奏曲の第3楽章の動機の類似性はしばしば指摘される。


Posted by analogsound at 23:33
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