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2020年10月10日

ピアノの楽器としての将来性を確信したベートーヴェン ― チェンバロを切り捨てピアノのためだけに作曲した大曲を聴き比べる。

仲道郁代 ベートーヴェン・ソナタ全曲 第4集

ピアノという楽器の進化とともにピアノ・ソナタを書き続けたベートーヴェン。《悲愴》くらいまでは、鍵盤楽器といえばチェンバロが主流でした。
「第9番」の頃はそろそろ19世紀になろうという時期で、ちょうど楽器が入れ替わる時期に差し掛かっていて、チェンバロよりもピアノフォルテが広く普及してきました。少しずつチェンバロ(あるいはクラヴサン)という表記が消えてゆく時代でした。
ベートーヴェンのピアノ作品も、《悲愴》までは「チェンバロまたはピアノフォルテのためのPour le Clavecin ou Piano-Forte」という記述がありましたが、「第9番」からは「ピアノフォルテのためのPour le Piano-Forte」となります。
出版社としては、2つの楽器で演奏可能とした方が売りやすかったでしょうが、のちに弦楽四重奏にも編曲される大曲第9番は、すぐに音が減衰してしまうチェンバロで弾くのは難しいフレーズが出てきます。ついに「ピアノだけ」を想定した作品となりました。



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