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2020年11月16日

22年後に実を結んだ ― ショーン・コネリーのジレンマ

オスロ国際空港/ダブル・ハイジャック 1974オスロ駐在の英国大使が、過激派によって自宅に監禁される事件が発生する。テロリストに屈することをよしとしない正義漢ニルス・タルビック大佐(ショーン・コネリー)が現場の指揮を取るなか、ロンドン ― オスロ便の民間機が乗っ取られるという新たな事件が起こる。
ファーストネームからも分かる、タルビック大佐がキプロス平和維持軍に参加していたことや、イギリス大使が大戦中にユーゴスラビアで抵抗運動を支援していたこと。ショーン・コネリーの反英国の雰囲気を生かしたキャスティングなのに、ジェイムズ・ボンド的ヒーロー性を期待してしまう。
上映時間89分なうえに、次々に緊迫した局面が訪れる、タイトなつくりのサスペンスとして展開していくのだけれども。ショーン・コネリー自身も、テロリストと何者かの陰謀の間で暗闘してはいるんだけど、彼が現場に出張っちゃえば解決してしまうという、万能キャラに肩透かしを食う。同じ構造で現代にリメイクしたら、2時間超えも許されるだろうし、スパイ映画好き・国際謀略好きも満足させられるだろう。
この作品で、ショーン・コネリーに期待した立ち姿は、22年後の『ザ・ロック』で大成功していることで溜飲が下がる。とはいえ、リメイクをするとして、現代の俳優でのふさわしいキャスティングの期待度は薄くなる。



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