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Posted by おてもやん at

2020年11月20日

ふたりの魔法以外いらない ―

ロビンとマリアン 1976これは舞台劇の映画化。原作は「007/サンダーボール作戦」('65)で知られる脚本家ジョン・ホプキンスの舞台用戯曲の処女作「This Story of Yours」。ロイヤル・コート・シアターでの上演を見て強い感銘を受けたというコネリーは、ホプキンス本人に映画用の脚色を依頼し、自ら主人公ジョンソン巡査を演じることにした。
ショーン・コネリーが「007/ダイヤモンドは永遠に」でジェイムズ・ボンド役に復帰するときの付帯条件で、予算合計200万ドル以内で主演映画の企画2本を作ることになった。撮影期間は10日間。監督にはシドニー・ルメットが指名された。90万ドルの低予算映画ながら、製作費を回収するのに9年を要したという興行的には評価は低いが、失敗作で片付けるには惜しい野心的な作品である。
自ら望んだ役柄ゆえに、コネリーの大熱演は際立つ。日々目の当たりにする残酷で悲惨な犯罪の現場状況に神経を蝕まれ、必ずしも正義が全うされるわけではない司法の現実に怒りや不満を鬱積させたジョンソン巡査。知らず知らずのうち、己の中に怪物を作り上げてしまった彼の深層心理を通し、日常的に過度なプレッシャーを強いられる現代人の悲劇を描いた作品だ。
終盤で明らかにされるジョンソン巡査とバクスターの密室での応酬は、ショーン・コネリーとイアン・バネンの白熱した演技が凄まじい火花を散らせる。果たしてバクスターが本当に犯人なのかどうか、彼を尋問中に殺めてしまったジョンソン巡査はどのような罰を受けるのか。劇中では一切触れられない。
職務に忠実ゆえ壊れてしまう生真面目なジョンソンとは対照的に、仕事は仕事と割り切る合理的なエリート肌のカートライト警視を演じる名優トレヴァー・ハワード、あえてジョンソンの神経を逆なでさせて彼の深層心理を暴くバクスター役のイアン・バネンと、脇を支える役者陣も素晴らしい仕事をしている。
  


2020年11月19日

王になろうとした男 ―

王になろうとした男 ダニエル・ドレイボット 1975これは舞台劇の映画化。原作は「007/サンダーボール作戦」('65)で知られる脚本家ジョン・ホプキンスの舞台用戯曲の処女作「This Story of Yours」。ロイヤル・コート・シアターでの上演を見て強い感銘を受けたというコネリーは、ホプキンス本人に映画用の脚色を依頼し、自ら主人公ジョンソン巡査を演じることにした。
ショーン・コネリーが「007/ダイヤモンドは永遠に」でジェイムズ・ボンド役に復帰するときの付帯条件で、予算合計200万ドル以内で主演映画の企画2本を作ることになった。撮影期間は10日間。監督にはシドニー・ルメットが指名された。90万ドルの低予算映画ながら、製作費を回収するのに9年を要したという興行的には評価は低いが、失敗作で片付けるには惜しい野心的な作品である。
自ら望んだ役柄ゆえに、コネリーの大熱演は際立つ。日々目の当たりにする残酷で悲惨な犯罪の現場状況に神経を蝕まれ、必ずしも正義が全うされるわけではない司法の現実に怒りや不満を鬱積させたジョンソン巡査。知らず知らずのうち、己の中に怪物を作り上げてしまった彼の深層心理を通し、日常的に過度なプレッシャーを強いられる現代人の悲劇を描いた作品だ。
終盤で明らかにされるジョンソン巡査とバクスターの密室での応酬は、ショーン・コネリーとイアン・バネンの白熱した演技が凄まじい火花を散らせる。果たしてバクスターが本当に犯人なのかどうか、彼を尋問中に殺めてしまったジョンソン巡査はどのような罰を受けるのか。劇中では一切触れられない。
職務に忠実ゆえ壊れてしまう生真面目なジョンソンとは対照的に、仕事は仕事と割り切る合理的なエリート肌のカートライト警視を演じる名優トレヴァー・ハワード、あえてジョンソンの神経を逆なでさせて彼の深層心理を暴くバクスター役のイアン・バネンと、脇を支える役者陣も素晴らしい仕事をしている。


  


2020年11月18日

あなたは風のごとくおのれの場所にとどまることを知らない ― アメリカ大統領に、

風とライオン 1975あなたは風のごとく、私はライオンのごとし。あなたは嵐をまきおこし、砂塵は私の眼を刺し、大地はかわききっている。私はライオンのごとくおのれの場所にとどまるしかないが、あなたは風のごとくおのれの場所にとどまることを知らない  


2020年11月17日

横溝正史の金田一耕助の事件「獄門島」を重ねてみると面白い ―

オリエント急行殺人事件 アーバスノット大差 1974これは舞台劇の映画化。原作は「007/サンダーボール作戦」('65)で知られる脚本家ジョン・ホプキンスの舞台用戯曲の処女作「This Story of Yours」。ロイヤル・コート・シアターでの上演を見て強い感銘を受けたというコネリーは、ホプキンス本人に映画用の脚色を依頼し、自ら主人公ジョンソン巡査を演じることにした。
ショーン・コネリーが「007/ダイヤモンドは永遠に」でジェイムズ・ボンド役に復帰するときの付帯条件で、予算合計200万ドル以内で主演映画の企画2本を作ることになった。撮影期間は10日間。監督にはシドニー・ルメットが指名された。90万ドルの低予算映画ながら、製作費を回収するのに9年を要したという興行的には評価は低いが、失敗作で片付けるには惜しい野心的な作品である。
自ら望んだ役柄ゆえに、コネリーの大熱演は際立つ。日々目の当たりにする残酷で悲惨な犯罪の現場状況に神経を蝕まれ、必ずしも正義が全うされるわけではない司法の現実に怒りや不満を鬱積させたジョンソン巡査。知らず知らずのうち、己の中に怪物を作り上げてしまった彼の深層心理を通し、日常的に過度なプレッシャーを強いられる現代人の悲劇を描いた作品だ。
終盤で明らかにされるジョンソン巡査とバクスターの密室での応酬は、ショーン・コネリーとイアン・バネンの白熱した演技が凄まじい火花を散らせる。果たしてバクスターが本当に犯人なのかどうか、彼を尋問中に殺めてしまったジョンソン巡査はどのような罰を受けるのか。劇中では一切触れられない。
職務に忠実ゆえ壊れてしまう生真面目なジョンソンとは対照的に、仕事は仕事と割り切る合理的なエリート肌のカートライト警視を演じる名優トレヴァー・ハワード、あえてジョンソンの神経を逆なでさせて彼の深層心理を暴くバクスター役のイアン・バネンと、脇を支える役者陣も素晴らしい仕事をしている。
  


2020年11月16日

22年後に実を結んだ ― ショーン・コネリーのジレンマ

オスロ国際空港/ダブル・ハイジャック 1974オスロ駐在の英国大使が、過激派によって自宅に監禁される事件が発生する。テロリストに屈することをよしとしない正義漢ニルス・タルビック大佐(ショーン・コネリー)が現場の指揮を取るなか、ロンドン ― オスロ便の民間機が乗っ取られるという新たな事件が起こる。
ファーストネームからも分かる、タルビック大佐がキプロス平和維持軍に参加していたことや、イギリス大使が大戦中にユーゴスラビアで抵抗運動を支援していたこと。ショーン・コネリーの反英国の雰囲気を生かしたキャスティングなのに、ジェイムズ・ボンド的ヒーロー性を期待してしまう。
上映時間89分なうえに、次々に緊迫した局面が訪れる、タイトなつくりのサスペンスとして展開していくのだけれども。ショーン・コネリー自身も、テロリストと何者かの陰謀の間で暗闘してはいるんだけど、彼が現場に出張っちゃえば解決してしまうという、万能キャラに肩透かしを食う。同じ構造で現代にリメイクしたら、2時間超えも許されるだろうし、スパイ映画好き・国際謀略好きも満足させられるだろう。
この作品で、ショーン・コネリーに期待した立ち姿は、22年後の『ザ・ロック』で大成功していることで溜飲が下がる。とはいえ、リメイクをするとして、現代の俳優でのふさわしいキャスティングの期待度は薄くなる。
  


2020年11月15日

往来できるのは空飛ぶ石像 ― 2293年の未来、人類は不老不死の「エターナル」と死のある「獣人」に分かれていた

ザルドス ゼッド 1974「獣人」集団エクスターミネーターのリーダー、ゼッド(Zed)は、貢物の穀物に紛れて、ザルドスに乗り込み、ボルテックスへ旅立つ。ボルテックスに着いたゼッドはメイ(May)という女性エターナルに捕獲される。
ボルテックスはタバナクル(Tabernacle)という中央コンピューターによって支配されている。「エターナル」は脳に埋め込まれたクリスタル(チップ)によってテレパシー能力を持つが、常に思考を監視されている。しかも、不穏な思考や反逆思考が感知されると、持ち主には歳を取らせるという刑罰が与えられる。
ボルテックスは当初科学者の理想郷として建設され、人類への貢献が期待されたが、不死不老ゆえの熱意の枯渇により結局ほとんど成果を出せず、エターナルは目的を失って無気力状態に陥っていた。
100万ドルというわずかな予算で製作された、ショーン・コネリー主演の1974年に製作されたアイルランド・アメリカ合作映画『未来惑星ザルドス』(Zardoz)は、その結末の展開も含めて、現代日本のアニメーションに浸透している。果たして平成生まれのアニメーターらにその認識は残っているだろうか。  


2020年11月14日

尋問中に殺してしまった男は本当に真犯人だったのか ― 日常的に過度なプレッシャーを強いられる現代人の悲劇を描く

怒りの刑事 1972これは舞台劇の映画化。原作は「007/サンダーボール作戦」('65)で知られる脚本家ジョン・ホプキンスの舞台用戯曲の処女作「This Story of Yours」。ロイヤル・コート・シアターでの上演を見て強い感銘を受けたというコネリーは、ホプキンス本人に映画用の脚色を依頼し、自ら主人公ジョンソン巡査を演じることにした。
ショーン・コネリーが「007/ダイヤモンドは永遠に」でジェイムズ・ボンド役に復帰するときの付帯条件で、予算合計200万ドル以内で主演映画の企画2本を作ることになった。撮影期間は10日間。監督にはシドニー・ルメットが指名された。90万ドルの低予算映画ながら、製作費を回収するのに9年を要したという興行的には評価は低いが、失敗作で片付けるには惜しい野心的な作品である。
自ら望んだ役柄ゆえに、コネリーの大熱演は際立つ。日々目の当たりにする残酷で悲惨な犯罪の現場状況に神経を蝕まれ、必ずしも正義が全うされるわけではない司法の現実に怒りや不満を鬱積させたジョンソン巡査。知らず知らずのうち、己の中に怪物を作り上げてしまった彼の深層心理を通し、日常的に過度なプレッシャーを強いられる現代人の悲劇を描いた作品だ。
終盤で明らかにされるジョンソン巡査とバクスターの密室での応酬は、ショーン・コネリーとイアン・バネンの白熱した演技が凄まじい火花を散らせる。果たしてバクスターが本当に犯人なのかどうか、彼を尋問中に殺めてしまったジョンソン巡査はどのような罰を受けるのか。劇中では一切触れられない。
職務に忠実ゆえ壊れてしまう生真面目なジョンソンとは対照的に、仕事は仕事と割り切る合理的なエリート肌のカートライト警視を演じる名優トレヴァー・ハワード、あえてジョンソンの神経を逆なでさせて彼の深層心理を暴くバクスター役のイアン・バネンと、脇を支える役者陣も素晴らしい仕事をしている。
  


2020年11月13日

ラスベガスのホテルのラーメン風呂 ― コメディ路線は人気を復活させ3代目ボンドのロジャー・ムーアに引き継がれる

007 ダイヤモンドは永遠に 1971前作の『女王陛下の007』から一転、ショーン・コネリーがジェームス・ボンド役に戻ってきた。コント的描写が多く、クールな諜報員のイメージは、ショーン・コネリーくささを感じられるものに。本作を最後にスペクターはシリーズから姿を消し、このコメディ路線は人気を復活させた3代目ボンドのロジャー・ムーアに引き継がれることになる。
コネリー復帰のために破格の出演料が払われたが、彼はその全額をスコットランド国際教育基金に寄付した。もう一つの条件として、興行収入の10パーセント、ユナイテッド・アーティスツがコネリーの望む作品2本の製作費を提供することが提示され、それにより製作されたのが『怒りの刑事』だった。  


2020年11月12日

監視下だとわかってからの奪取が痛快 ― 社会派娯楽作の名手ルメットならではの本領が発揮されている。

盗聴作戦 1971金庫破りの罪で10年の刑期を終え出所したデューク(ショーン・コネリー)は、さっそく次の獲物を物色。狙うは、類い稀な豪華さと厳戒警備を誇る、ニューヨーク随一の高級マンション。
この建物内の財産総額を計算したデュークは、すぐに仲間を召集。住人の名前、部屋の見取り図、金庫の位置など、首尾よく調べ上げ、いよいよ強奪決行の日をむかえる。ところが、彼らの会話はすべてFBIに盗聴されていたのだった。
デュークは犯罪のスペシャリストたちを集めてチームを作り、計画を着々と進めていっていると思っていたが、しかし集められたメンバーたちは、それぞれが警察をはじめとする犯罪に関係した各政府関係機関の厳しい監視下に置かれていたのだった。
マンション襲撃準備が軽快なテンポで進む前半と、警察の目を盗んで進行する犯行をスリリングに描いた後半で構成されており、特に襲撃後の様子をカットバックで挿入することでサスペンス性を高めた演出は必見。コネリーは、社会派娯楽作の名手シドニー・ルメット監督との顔合わせによって、当たり役となったジェームズ・ボンドとは一味違った犯罪者役を軽やかに演じる。
主演ショーン・コネリーとともに強奪仲間を演じるのは、本作がデビュー作である個性派俳優クリストファー・ウォーケン。7人の犯罪プロが、ニューヨークを舞台に華麗に繰り広げる痛快強奪サスペンス。  


2020年11月11日

秘密兵器を探るだけがスパイではない ― 労働者の怒りと闘争・赤狩りを体験したバーンスタインが史実を基に描く

男の闘い ジャック・キーオ 1970炭鉱に沈む夕陽を捉えた導入。鉱山から引き上げてくるトロッコを写し、男達が出てくると背後に大爆発が起こる。ジェームス・ウォン・ハウの見事なキャメラ。マーティン・リットの静と動の演出で男たちの重いドラマを始めると宣言するようだ。ヘンリー・マンシーニの音楽。
1876年。ペンシルベニアの炭鉱。アイルランドの移民達は、ジャック・キーオ(ショーン・コネリー)をリーダーに〝モリー・マガイア〟という秘密結社を結成。苛酷な労働と生活のための闘いを繰り返してる。そこに労働者を装い、実は会社サイドの依頼で警察が送り込んだスパイ、ジェームス・マッケナ(リチャード・ハリス)が乗り込んでくる。労働者の怒りと闘争を赤狩りを体験したウォルター・バーンスタインが史実を基に描く。社会派ドラマ。