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2020年09月28日
オーケストラ演奏の新機軸を打ち立てたカラヤンの名演奏を聴く 第28盤 シューベルト 未完成交響曲
《未完成》は、オーケストラ美の極致 ― オーケストラ演奏の新機軸を打ち立てた銘盤
1960年代に収録されたカラヤンとベルリン・フィルによる、ドイツ・グラモフォンへの唯一の録音となった《未完成》。シューベルトの交響曲録音にはあまり積極的ではなかったとはいえ、人気のあるこの曲はカラヤン美学を発揮して、極めて純度の高い演奏を聴かせてくれます。ベルリン・フィルの芸術監督に就任して10年前後のころの録音だ。壮年期のカラヤンの覇気が伝わってくるような迫力に満ちていて、この時期ならではの演奏となっている。
レコード番号の139 001~44番までは、カラヤンの為だけに与えられた番号で、1964~68年の間に録音した名演ばかりです。このシューベルトの《未完成》は、その第一枚目になります。ベートーヴェンの傑作序曲からの3作品集(《フィデリオ》、《レオノーレ》第3番、《コリオラン》)との組み合わせでした。
帝王と言われたカラヤンにとって、発売されたレコードやCDがクラシック音楽の中でトップセールスを記録するのは「自明」のことでした。ところが、これもまたよく知られた話ですが、シューベルトだけは売り上げが芳しくなくて帝王も苦笑いをしていたそうです。
カラヤンらしからぬ究極のスローテンポで始まる第2楽章は、もう並ぶもののない演奏。シューベルトの《未完成》の第2楽章は、アンダンテ・コン・モートながら、これ以上遅くできないくらいに息の長い旋律をきかせます。その中にもある舞曲を感じられるカラヤンの美しい音楽。クラリネットのソロも、気持ちがこもっている。聞いていて涙がでます。心打つ演奏、解釈です。何時までも、何回でも聞きたくなる素晴らしさだ。この魔法を聞いたら、もう元には戻れなくなるだろう。レガートやスケールの大きさ、足腰の座った厚みのあるオーケストラの音、すべてが最高なのだ。フルトヴェングラーの亡霊の後ろ姿が残る、この時にしか出せない音だったのだろう。ベートーヴェンの序曲集には、《フィデリオ》に至るまでに三回ベートーヴェンが書き直したということで、《レオノーレ》3曲から《フィデリオ》で占めるプログラムのレコードは珍しくないですが、《レオノーレ》第3番を中心に据えたこの選曲に、カラヤンの意思があったように感じられ、交響的断章からなる管弦楽組曲として聴くのも面白いものです。
レコード番号の139 001~44番までは、カラヤンの為だけに与えられた番号で、1964~68年の間に録音した名演ばかりです。このシューベルトの《未完成》は、その第一枚目になります。ベートーヴェンの傑作序曲からの3作品集(《フィデリオ》、《レオノーレ》第3番、《コリオラン》)との組み合わせでした。
帝王と言われたカラヤンにとって、発売されたレコードやCDがクラシック音楽の中でトップセールスを記録するのは「自明」のことでした。ところが、これもまたよく知られた話ですが、シューベルトだけは売り上げが芳しくなくて帝王も苦笑いをしていたそうです。
カラヤンらしからぬ究極のスローテンポで始まる第2楽章は、もう並ぶもののない演奏。シューベルトの《未完成》の第2楽章は、アンダンテ・コン・モートながら、これ以上遅くできないくらいに息の長い旋律をきかせます。その中にもある舞曲を感じられるカラヤンの美しい音楽。クラリネットのソロも、気持ちがこもっている。聞いていて涙がでます。心打つ演奏、解釈です。何時までも、何回でも聞きたくなる素晴らしさだ。この魔法を聞いたら、もう元には戻れなくなるだろう。レガートやスケールの大きさ、足腰の座った厚みのあるオーケストラの音、すべてが最高なのだ。フルトヴェングラーの亡霊の後ろ姿が残る、この時にしか出せない音だったのだろう。ベートーヴェンの序曲集には、《フィデリオ》に至るまでに三回ベートーヴェンが書き直したということで、《レオノーレ》3曲から《フィデリオ》で占めるプログラムのレコードは珍しくないですが、《レオノーレ》第3番を中心に据えたこの選曲に、カラヤンの意思があったように感じられ、交響的断章からなる管弦楽組曲として聴くのも面白いものです。
