通販レコード・新着盤

スポンサーサイト

上記の広告は90日以上記事の更新がないブログに表示されます。新しい記事を書くことで、こちらの広告が消せます。

  

Posted by おてもやん at

2020年09月17日

素晴らしい「地上の美」がここに存在する〜珠玉の名曲をカラヤンの名演で聴く 第17盤 ブルックナー 交響曲第7番


カラヤンが生み出すレガートはすばらしい。それが音楽においては最も難しいものだ。

フルトヴェングラーがカラヤンのことを珍しく褒めたことがあった。自分にできないことは、諸手を挙げるものです。どんなに関係が悪くても、優れた音楽家として見るべきものは見抜いていたというわけです。
1975年1月から1981年1月に録音されたカラヤンとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のブルックナー・ツィクルスは、ブルックナー録音の歴史的指標となっています。カラヤンにとって、故国の大作曲家ブルックナーは、特別な存在であったのかも知れない。全9曲に一貫するカラヤンらしい明晰な解釈、流麗な音の奔流、その抜群の安定感からみて、ヨッフムとともに全集決定盤の最右翼である。音楽の底流にあるものへのカラヤンの深い感性が際立ち、これらの録音はカラヤン最高の演奏でもあり、おそらくかつてなされたことのないほど最も深くブルックナーを解釈した演奏と言えるでしょう。
それは、1957年にはじめてブルックナーの8番を録音したときから、1970年代後半に全集の録音に取り組んだときまで一切ぶれることはありませんでした。しかしながら、その事がカラヤンのブルックナー対する低評価の原因ともなりました。
ブルックナー演奏においては「崇高」であることが求められるものです。
聴いているものすべてまるごと、フルトヴェングラーは「天国的な美」へ誘ってしまいますが、カラヤンのブルックナーは、この上もなく素晴らしい「地上の美」がそこに存在している。頻出する休止符によって音楽がぶつ切りになってしまいがちななのがブルックナーの音楽なのですが、カラヤンの手にかかれば見事なまでのエレガントさでシームレスに繋がれていきます。第2楽章の「Scherzo」でも、ややテンポを上げ気味にして雰囲気を変えるのも、聞き手を飽きさせない地上の美」が音楽全体に満ちあふれている。夜空の星は憧れるだけでしかありませんが、足元のガーベラは手にとって美しさに浸れるのです。

DGG 2707 102 ヘルベルト・フォン・カラヤン ブルックナー・交響曲7番/ワーグナー・ジークフリート牧歌
  続きを読む


Posted by analogsound at 23:54
Comments(0)名曲とカラヤン