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Posted by おてもやん at

2020年10月15日

前進のための総決算 ― ベートーヴェンはこの「第11番」を区切りとしてピアノソナタにおける新たな表現を模索しはじめます。

仲道郁代 ベートーヴェン・ソナタ全曲 第2集

ベートーヴェンの「新しいことを!」という強いメッセージが込められている「作品2」の3曲で、「第1番」は調性、「第2番」は形式、「第3番」はピアノ協奏曲を思わせる巨大な書法と調の特殊性。規模的には「第29番《ハンマークラヴィーア》」に次ぐ大きな曲になった、ベートーヴェンが日記や書簡で「Die Verliebte(愛する人)」と呼んで、非常に愛情の込もった作品になっていた「第4番」。
この「第11番」のソナタは、そのような「作品2」(第1〜3番)や「作品7」(第4番)のソナタでやってきたことの集大成のような位置づけにある、モーツァルトやハイドンのバロック音楽時代のピアノ音楽に対する考え方を統合し、回答に足らしめた作品です。ベートーヴェンの進化を感じながら聴き比べてください。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ32曲を作曲順に見ていくと、ベートーヴェンがどんどん新しい世界に突き進んでいくさまと、その素晴らしいメロディーメーカーぶりがわかってきます。ベートーヴェンはこの作品を区切りとして、ピアノ・ソナタにおける新たな表現を模索しはじめます。この曲は、これまで書かれたピアノ・ソナタのまさに集大成。この「第11番」のソナタのあと、「葬送」「月光」「田園」「テンペスト」と愛称のつけられたソナタが続々、いよいよベートーヴェンは「実験期」に入っていきます。  


Posted by analogsound at 23:54
Comments(0)ベートーヴェンとピアノ